「式日」を見た

2003年8月8日
なんて衝撃的な映画。
見た後、しばらく声もだせなかった。
あまりに繊細で切ない世界。
まいった。
こりゃ今まで見た映画の中でお気に入りBEST3に入るな。
庵野監督、やってくれるね。
この映画のDVDを買ったのは、岩井俊二がいつもの監督という立場でなく、役者に初挑戦したということだけ。
内容については、それほど期待していなかった。
この作品は「千と千尋」などで有名なスタジオジブリの作品。
でも、実写版。
しかも、とても子供向けとはいえませんな。
はじめっからいきなりシュールな世界。
これに抵抗感を軽く覚える人も多いだろう。
でも、ストーリーが進むにつれて、そのひとつひとつに確かな意味が隠されていることがわかる。
途中、階段のところでカントクにヒロインが飛びつくシーンは思わず涙がでてしまった。
そして、映画の終盤、今までに見たことのない「愛の告白」のシーンがある。
これを見るだけでも、このDVDを買った甲斐があったってもんだ。
この告白は、本当に胸に残った。
ジーンときた。
岩井監督、監督やめて役者になればって感じだった。
庵野監督の作品はよくレールが出てくる。
「ラブ&ポップ」でも、ラストシーンで模型の電車が走った。
でも、「式日」では本当に重要な意味を持つ。
「この2本の線は交わることはないけど、二つで一つってところがいい」
そんな言葉、あたりまえなんだけど、この映画の中で聞くと、本当にそうなんだって実感してしまう。
映像特典の「鉄道と少女」を本編の後に見ると感動が倍増。
この世で最後に1本だけ映画を見ていいといわれたら、この作品を選ぶかもしれない。

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